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混同しがち!?SFA、CRM、MAの違いを徹底解説
更新日:2021年12月9日
BAISOKUです。
企業が売上を確保、拡大するためには、もちろん営業活動が欠かせません。 労力のかかる営業活動の場にもITを活用することで、これまで人力で行っていた管理・分析・判断といった業務をより効率化、高精度化するためのツールを導入する企業が増えているのもまた事実です。その代表的なツールとして、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客関係管理)、MA(マーケティングオートメーション)が該当します。 しかし、それぞれが使用される順番やカバーする領域が異なっており、また役割が重なる部分もあることから混同されることも多いと言われています。 今日は、「SFA」「CRM」「MA」という 3つのツールの違いと特徴、導入基準について解説します。
◇ Index ◇ ┃SFAって何? ┃CRMって何? ┃SFAとCRM、どこが違う? ┃SFAとCRM、どちらを選べばよいか? ┃MAって何? その流れと実現できること ┃MAとSFAとCRM それぞれを選択する基準は?
┃SFAって何?
SFAとは、「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」の略で、営業部隊(セールスフォース)が行う営業活動をシステムを活用して支援する「営業支援システム」という意味です。
SFAは、マンパワーに頼った営業活動に起こりがちな機会損失をなくし、リード(見込み客)や案件を管理しながら、営業プロセスや案件の進捗、商談の内容などを可視化し、最終的に営業利益の最大化を目指すのが特徴です。
┃CRMって何?
CRMとは、「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略で、「顧客関係管理」という意味です。 顧客との関係を管理しつつ、顧客視点に立って満足度を向上させ、長期的に関係性を深めていくマネジメント手法です。
CRMでは、購入する顧客がいなければ、どれほど優れた製品・サービスを持っていてもビジネスが成立しないという考え方で、顧客を起点とした事業戦略や営業プロセスの構築・管理に特徴があります。
┃SFAとCRM、どこが違う?
SFAとCRMでは大きく、売上・利益を向上させるための考え方・手法が異なるのですが、以下の視点で違いが理解しやすくなります。
・SFAは「営業マン」を、CRMは「顧客」を管理する。 SFAは、自社の営業マンの業務を効率化、最適化するためのシステムです。CRMは、顧客満足度の向上を目的とした、顧客とのコミュニケーションを最適化するためのシステムです。つまり、SFAが、自社内部の営業視点なのに対して、CRMは、外部側で動」を、CRMは「マーケティング活動」を支援する。
SFAは、営業活動を支援するためのシステムなので、営業部門が利用するのが基本です。CRMは、マーケティング活動の支援システムといえます。そのため、マーケティング部門、カスタマーサービス(CS)部門から営業部門まで、全社横断的に幅広く利用することが可能です。
・SFAは「BtoB」向け、CRMは「BtoB」「BtoC」の両方に使える。
SFAは主に法人営業向けに用いるシステムです。CRMは、個人・法人を問わずあらゆる顧客管理に使えます。
・SFAは「顧客になるまで」を、CRMは「顧客になってから」を管理する。
営業活動のプロセスという視点で言えば、SFAは、顧客を刈り取るまでの支援システムといえます。他方、CRMは、顧客の刈り取りも支援するのですが、主に顧客化し取引がはじまった後を引き継ぎ、顧客ごとのステイタスを蓄積・トラッキングしていくのがメインのシステムです。その性質上、取り扱うデータも異なっており、SFAが、新規営業の案件データや商談データをメインで扱うのに対し、CRMは、顧客の企業データや取引状況データをメインとします。
┃SFAとCRM、どちらを選べばよいか?
今まで説明してきたように、SFA(営業支援システム)と、CRM(顧客関係管理)には定義上、多くの違いがありますが、実際のサービス製品・システムツールとしての機能範囲としては、明確な境界線がなくなっているのが現状です。また、SFAとCRMは、営業・マーケティングの各プロセスも重なり合う部分があるため、最初から両方の機能を備えた製品・ツールも登場しています。
企業経営において、自社の企業規模を鑑みても「SFAもCRMも必要ない」と安易に判断することは得策ではありません。 「今、自社の抱えている課題は何か?」「今後、強化していきたい部門はどこか?」といった視点で、直近どちらのシステムを優先的に導入するか?を判断するのは一案と言えるでしょう。
つまり、BtoBの効率化を課題としているならSFA、すでに獲得している顧客管理や顧客満足度を課題とするならCRMという優先度の判断があります。
┃MAって何? その流れと実現できること
一般的にマーケティング活動は、 1)見込み顧客の獲得(リードジェネレーション) 2)獲得した見込み顧客を育成(リードナーチャリング) 3)購買意欲の高まった見込顧客を選別して営業部門へ引き渡す(リードクオリフィケーション) という流れで取り組みますが、この3つのステップを自動化するのがMAの機能といえます。 ・見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)
見込顧客を獲得するリードジェネレーションは、見込顧客の氏名、メールアドレス、電話番号などのデモグラ情報を獲得することを言います。リードジェネレーションの施策としては、直接的な名刺交換、イベント・セミナー参加のほか、インターネット経由の施策として、WEB広告、キャンペーン、自社のWebサイトからの問い合わせ・予約・メルマガ登録・資料請求、フェイスブックやツィッターなどSNSツールを使用したもの、SEO対策などがあります。
MAは、施策を効率化するため、フォーム作成機能やランディングページ作成機能などを搭載しているのが一般的です。
・獲得した見込顧客を育成(リードナーチャリング)
見込顧客を育成するリードナーチャリングは、リードジェネレーションで集めた見込顧客を育成し、見込み度合いを向上させるための施策を行います。リードナーチャリングのための施策としては、セミナーの実施、ホワイトペーパーの提供のほか、メルマガ配信、広告配信、アプリの提供などがあります。 MAは、施策を効率化するため、予約メール配信、シナリオ機能、ステップメール機能などを搭載しているのが一般的です。
・購買意欲の高まった見込顧客を選別して営業部門へ引き渡す(リードクオリフィケーション)
ホットな見込顧客を選別し、営業部門に引き渡すリードクオリフィケーションは、リードナーチャリングで見込み度が上がった顧客の中から、優先的にアプローチする顧客を選別します。 MAはこれらの施策を効率化するため、スコアリング機能、ホットリード機能、各種通知機能などを搭載しているのが一般的です。 ・マーケティングの自動化を実現
MAは、マーケティングオートメーションの名の通り、マーケティング活動を自動化できるのが最大のメリットになります。 リアル・ネットを問わず、顧客一人ひとりに合わせた細やかなコンテンツ提供や、継続的なコミュニケーションが求められる時代ですが、その作業を全て人力で行うのでは限界があります。作業負荷を減らし効率化することで、マーケティング施策の精度を上げるのに役立つMAツールは、非常に心強い存在です。
・見込顧客のステイタスに合わせた対応が実現 MAの導入により、見込顧客のステイタスに合わせた対応を実施しやすくなります。 一例として、「ツイッター広告を見て、かつメルマガのURLをクリックした人⇒営業からアプローチする」 など、見込顧客の反応状況に応じたアクションが可能となるので、顧客のモチベーションを踏まえたマーケティング施策と、営業活動の連携もやりやすくなります。
┃MAとSFAとCRM それぞれを選択する基準は?
MAとSFA、CRMは、それぞれの役割は、マーケティングから営業プロセスまで重なる部分もありますが、見込み顧客に対するアプローチの視点で、カバーできる領域がある程度決まっており、メインで使われるツールとしての順番は「MA → SFA → CRM」です。 MA、SFA、CRM、それぞれがカバーする領域はおおむね次の通りです(下図参照)。

・MA……リード獲得から営業に案件を渡すまで
・SFA……リードが案件化してから受注まで
・CRM……受注した後
MA、SFA、CRMはできることなら、連携させて活用するのが効果的と言われています。
・MA・・・見込顧客を掘り起こしたい! 商談が可能な案件が少ない、見込顧客の質に課題があるため、商談まで進まないという場合は、MAの導入で解決できる可能性があります。MAを導入により、これまで見逃していた見込顧客を見つけることができ、新たな見込顧客を育成していけば、商談の量・質が向上する可能性が高まります。
・SFA・・・受注率を上げたい!
商談の数は十分なのに、なかなか受注に至らない、商談後のフォローが徹底していないために見込み度の高い顧客を逃しているという状況なら、SFAが力を発揮できる見込みがあります。
◇ 従来の企業内活動では、マーケティング、営業、サポートの各担当が連携しておらず、独立した動きをとっていたために、受注できたはずの顧客を逃したり、関係性の継続に失敗したりといった機会損失がありました。
MAとSFA、CRMを連携させて活用することで、マーケティングから営業への連携もスムーズになり効率的に営業利益を追求することがかなうでしょう。 すでに、SFA、CRM、MAの各機能を網羅したシステムも登場していますが、やはりそれぞれに特化したシステムと比較すると、個々の機能に物足りなさが見えることが多いようです。 まずは、優先的に導入するシステムを見極めること、そのうえで製品・ツールの比較・検討に進むのがよさそうです。
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