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英語3文字シリーズ:『OMO』って何?

最終更新: 2月9日


BAISOKUです。 企業であれ、店舗であれ、集客なくして売上向上はなしえません。そのうえ、時代の流れとともに従来のマーケティング手法による集客は困難になってきています。オンラインからオフラインへと繋ぐ「O2O」、オムニチャネルといった戦略もまた例外ではありません。そこで今注目を集めているのが、オンラインとオフラインを融合させる「OMO」戦略です。 ◇

OMOとは?


OMOは、(Online Merges with Offline)の頭文字を取った略称で、「Merges」は「統合」や「融合」を意味する言葉であることから、オンラインとオフラインの融合という意味になります。つまり、オンラインとオフラインの境界に関わらず、シームレスなユーザー体験(UX)を提供することに重きを置いて、ユーザーのあらゆる行動をデータ集約するマーケティング手法のことです。


このOMOという用語は、Google Chinaの元CEOである李開復(リ・カイフ)氏が、2017年にその概念を提唱し、英国の『ザ・エコノミスト誌』が取り上げたことで注目されるようになりました。今回は、OMOについて、また先に書いたO2O、オムニチャネルとの違いについても解説してみます。

OMO、最先端は中国。

中国は、「スマホ1つあれば生きていける」というぐらい、あらゆる決裁がモバイルデバイスで完結するなど、文化として根付いています。都市部ならほぼ100%近くスマートフォンが普及しているため、モバイル決裁が広く一般化され、公共料金や露店屋台での支払い、また各種の罰金でさえスマートフォン1つで決裁が可能です。これは、偽札をはじめとした現金に対する信頼性が低いという背景も普及に影響していると言われています。

このように中国は、オンラインとオフラインの連携が日本以上に進んでおり、OMOが最も浸透している国と言われています。 例えば、都市部のスーパーでは、商品にQRコードがついており、それを読み取ることで、商品の詳細情報や購入レビューをその場で見ることができます。これは、・実店舗で商品を見る →詳細情報を調べる →レビューを見る という一連の行動データが個別IDに紐づけられ蓄積されていきます。ほかにも、アプリを使用してのショッピング、閲覧したセール情報、実店舗での決済や購入商品といったあらゆる消費行動がデータとして活用することが可能になっています。

ここでの考え方のポイントは、蓄積された膨大な消費者データを、ある特定のセグメントと捉えて分析するのでなく、あくまで個別IDに紐づけて分析することで消費者ごとの嗜好に合わせたOnetoOneマーケティング施策を展開するというところです。消費者の行動がオンラインかオフラインかに関わることなく、一貫性ある顧客体験を生み出していくのが、OMOです。


O2O・オムニチャネルとはどこが違うのか?


O2Oとは、Online to Offline の略称です。オンラインとオフラインを2つの領域として切り分けて考え、双方への往来を促す、つまりオンラインを使ってオフラインへ集客する、もしくはその逆へ向かわせるマーケティング施策です。例えば、オンラインショップを訪問したユーザーに、SNS等でお得なクーポンやイベント情報などを発信し、購買意欲を持ってもらい、実店舗への送客を促すといった手法のこと。このように、デジタルからリアルへと人を誘導するマーケティング施策は、特に2013年頃から急拡大していきました。


オムニチャネルとは、実店舗やオンラインショップ、カタログ、コールセンター、SNSに至るまで、企業とユーザーをつなぐ、あらゆる販売、流通チャネルの情報管理システムを統合し、ユーザーとシームレスに接点を持つマーケティング施策です。個別IDや在庫情報を一元管理化することで、ユーザーは、どの販売チャネルからでも特に意識することなく、商品を購入することができます。


では、OMOとO2O・オムニチャネルはどこが違うのでしょうか?


O2Oとオムニチャネルは、”オンラインとオフラインを切り分けて”、ユーザーの購買行動を促進すべく異なったチャネルを連動させる、いわば企業視点での施策です。OMOは、オンラインとオフラインの垣根を越えて、双方に蓄積される顧客データを融合したビジネス構築施策です。単にユーザーの購買プロセスだけでなく、あらゆるユーザー体験(UX)を提供するためのビジネス設計が、OMOの最大の特徴です。

では次に、OMOの具体的な事例を見てみます。


中国:Alibabaの事例


中国のEC市場最大のモールを持つAlibaba。 そのAlibabaが運営している中国最大のスーパーマーケット、盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)は、世界で最もOMOを推進している店舗のひとつと言われており、オンラインと実店舗を融合した先進的なサービスにより、良質なユーザー体験(UX)を提供しています。



盒馬鮮生では、スマートフォン1台であらゆる買い物が完結します。無人レジを導入しているため、スマートフォンアプリを使用し、商品のバーコードをかざすことで支払いが完了します。日本国内にも無人レジを導入したスマートストアの事例はありますが、日常的に利用できる店舗は、圧倒的に中国の方が普及しています。


また、盒馬鮮生のスマートフォンアプリは、さまざまなユーザー体験を提供しています。例えば、商品に付属するQRコードを読み取ることで、その商品の産地から店舗に届けられるまでの全履歴を確認することができます。また、レシピ動画の提供や、その料理を作るのに必要な食材や調味料をまとめて購入できるなど、ユーザーの新しい購買行動へとつなげる施策を展開しています。盒馬鮮生は、スマートフォンアプリの利用により、今までなかった新しい付加価値を持たせ、安心感プラス楽しいというユーザー体験を提供しているのです。


盒馬鮮生は、実店舗としての快適性と利便性も追求しています。ユーザーを楽しませる工夫が随所にされており、他のスーパーマーケットと比べて店内は清潔で、品ぞろえも豊富です。鮮魚を販売する生け簀を設置したり、生鮮食品を豊富に取りそろえたりしています。 また、アプリ経由で商品を注文すると、店舗から3km以内の距離なら30分以内に配達してくれるサービスもあるので、快適な買い物ができることになります。 このように、単に食材を購入する場所ということでなく、良質なユーザー体験が得られるスーパーマーケットと感じてもらうための魅力的な店舗づくりが成功につながっていると言えるでしょう。


OMOは日本で浸透するのか?



中国でOMOが浸透している背景として、モバイル決裁が圧倒的に普及していることが挙げられます。日本でもQRコード決裁の伸びもあり、キャッシュレス決済は毎年拡大傾向ですが、それでも日本のキャッシュレス普及率は、2019年の時点で26.8%となっています。キャッシュレス先進国の中国と比較してもその数値は圧倒的に低いのが現状です。


参考:経済産業省『日本のキャッスレス決裁比率』(2020年6月)経済産業省フィンテックビジョン(2017年7月)


従来のマーケティングは、O2Oやオムニチャネルといった、オフラインとオンラインをつなげる戦略が主流でした。しかしビジネスを取り巻く環境、IT技術の進歩に伴い、時代が大きく変わろうとしています。単によい商品やサービスを提供していれば選ばれる時代は終わりを迎えました。

これからの時代に求められるOMOは「ユーザー体験(UX)をベースとした価値を提供すること」が何よりも重要です。販売チャネル・流通チャネルを企業視点で切り分けるのではなく、あくまでユーザー視点で考え、蓄積されるデータをもとに一貫性の高いユーザー体験(UX)を設計することで、革新的な商品・サービスを提供することも可能です。 ◇


今回は、OMOについて解説してきました。 O2Oやオムニチャネルよりも一歩進んだ戦略と言われるOMO施策。自社における企業戦略として、OMO施策について一度考えてみてはいかがでしょうか。自社の持っているユーザー情報がどのようなデータとして蓄積されているか?違う角度から見直す機会になるかもしれません。


BAISOKU-ERPは、O2O、オムニチャネル、そしてOMOを実現するための最低限の基盤となる『顧客管理機能』を組み込むことが可能です。もし、今まで蓄積したデータが”紙”や”Excel(エクセル)”であってもマスタデータ化すれば、上記のような顧客管理施策に取り組む、第一歩を踏み出すことができます。

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